キャリア形成を促進する3ステップ

企業の新たなチャレンジとしての「キャリア形成」

現在、キャリア形成が企業においてますます重要視されるようになり、特に伝統的な大企業や中堅企業がその先駆者となっています。これは、人的資本経営に注力しやすい環境が整っているためといえます。

※人的資本経営についてはこちらで触れています↓

人事のバズワード!「人的資本経営」その概要や実務の現状

人事のバズワード「人的資本経営!」人材戦略に重要な3つの視点とは

キャリア形成は、業務や経験を通して自然と形成されるものではなく、社員が自らの意思でキャリアについて考えたり、自身のキャリア形成のために行動する仕組みと機会を作ることが重要だとされています。

例えば、

・キャリアを考える機会を設ける(キャリア研修の実施)
・キャリアに関する対話を行う(キャリア面談の実施)
・管理職社員への理解を促す
・職務・ポジションを開示する
・キャリア意向の表明機会を設ける

などの施策が代表的なものといえるでしょう。

ではこれらの施策を行うためにどのような手順を追っていけばよいのでしょうか。

キャリア形成を促進する3ステップ

企業は、以下の3ステップを踏んでキャリア形成を促していく仕組みを意図的に行っていくことが必要になります。

step1. 個人がキャリアを描く
step2. 企業がそれをサポートする
step3. ポジションの提供と適材適所の配置を行う

step1. 個人がキャリアを描く

第一に、個人が自らのキャリアを描くというステップは必須です。個人が目の前の仕事に意味を見出し、自主的に学び続ける習慣を企業が奨励する必要があります。

step2. 企業がそれをサポートする

次に、個人のキャリアを実現するためには、企業が効果的な手段を提供していかなければなりません。

例えば、社内で求められている新たな仕事に、既存の従業員の中でやる気がある人材に機会を提供するなど、意図的にさまざまなサポートを提供し、背中を押すことが求められるのです。

これは人的資本経営の一環であり、投資すればするほど、企業にはリターンが生まれるという考え方がベースになっています。

人件費を単なる経費ではなく、成長への投資と捉え、従業員の能力向上を促進することが企業にとっての利益に繋がるのです。

経営者は従業員のキャリアをサポートし、人的資本への投資を惜しまない姿勢が求められています。

step3. ポジションの提供と適材適所の配置を行う

最後に、ポジションの提供においては、組織の作り方やポジション設計にも注意が必要となってきます。

従業員が主体的にキャリアを築く時代においては、組織の枠組みも見直す必要があり、従来のピラミッド型組織の形式に囚われることなく、組織の柔軟性を保ちながら、個々のキャリアに応じたポジションを提供していくことが重要です。

リユース企業でキャリア形成を実現するには?

キャリア形成において、企業が認識し、課題として捉えることは重要ですが、企業は、その重要性を認識しながらも、まだまだその認識が実行に移せないというケースもあるかもしれません。

中小企業が多数を占めるリユース業界全体の共通の問題として、人的リソース不足や、社員教育への予算割り当てが難しいという問題があるためです。

では、どのような手順を踏むことで、企業が実際に行動に移せるのでしょうか。

まずはコストの「見える化」を推進することが非常に重要になってきます。例えば、1人の従業員が辞めることで発生する採用コストなどをイメージしてみてください。

採用のコストとして挙げられるのは、

・求人広告メディア掲載費
・自社サイトの製作費
・自社サイトの更新・改修費
・説明会やインターンシップなどの実施費用
・システム導入費
・採用担当者、人事部の人件費
・応募者にかかる交通費や宿泊費
・内定者の研修や親睦会に使用する会場のレンタル費
・内定者の引っ越し費用や交通費
・リファラル採用におけるインセンティブ

などです。これらを具体的に数値化してみます。一人当たりの採用単価はどのくらいでしたでしょうか。

あるいは、社員へ教育機会を与えたことによって、販売(買取)実績がどのくらい伸びるのか?といったことをイメージしていいかもしれません。

最初は1人〜2人のモデルケースからでもいいので、定量的な数値を意識的に集計してみるということをオススメします。そのコストを認識できれば、現在働いている従業員のキャリア形成のために還元しようと考える余裕が生まれるはずです。

キャリア形成を行ったことによって、従業員の士気が上がり、退職率が下がったり、やりたい仕事を一生懸命やってるという状態を、もし具体的に実現することができたとしたら、企業はもっとお客様に向き合って、 業績を上げることができるかもしれません。

最初から大きな費用を掛けずとも、具体的な数値化や詳細なケーススタディを通じて、課題やコストを可視化することで、問題の本質が浮かび上がってくるはずです。

まとめ

今回は、キャリア形成を促進するための具体的な3ステップについてご紹介をしました。キャリア形成を実現することで、最終的には売上の拡大につながるというイメージが少しでもわいていたけたら幸いです。自社の社員のキャリア形成をよりよく支援できるよう、本記事での情報をぜひお役立てください。

株式会社AMBヒトラボでは、20代からシニアまでの各世代や、女性活躍推進、管理職向けなど、課題に合わせたキャリア形成のノウハウを保有しています。キャリア形成をこれから積極化したいとお考えの方、キャリア形成を進めるに当たってどう進めるとよいのかお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください。

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<この記事を書いた人>

株式会社AMBヒトラボ
藤野 匡生(ふじの まさお)

大学卒業後、メガバンクへ入社。産業アナリストとして小売・サービス・不動産業の分析や国際金融担当のチーフマーケットエコノミスト、経営企画部にて新会社設立準備及び経営企画に携わる。
その後、不動産ベンチャー企業に入社。経営企画責任者として、2005年に東証第一部に上場を果たす。

その後、ベンチャー企業へのハンズオン投資を行う企業に入社。副社長として、 投資案件の選定・事業育成・売却に至るプロセス全般を統括。投資先であるジュエリー・ブランドのリユース・リフォーム事業を行う企業の代表取締役に就任。日本初ジュエリー・貴金属のアセットマネジメントを行う企業にリモデル。主要百貨店やSCに22店舗を構え、10万人の会員規模に成長させた。ジュエリー資産の活用の啓蒙活動にも尽力。主要経済誌等に発表した論文・講演等多数。

現在も、リユース・ジュエリー業界での企業経営経験、人材採用・育成経験を活かし、複数企業のアドバイザーとして活躍するとともに、当社の取締役として採用支援に従事している。

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