コロナ禍における人事戦略。採用における不連続への挑戦

こんにちは、AMBヒトラボの藤野です。リユース業界はコロナ禍においてもなお成長産業です。店舗・リアル型の外食産業やアパレルなどの小売業、観光業などが大きな打撃を受ける中、同じ店舗・リアル型で成長してきたリユース業は成長スピードこそやや鈍化しているものの依然成長フェーズにあります。そのため、以下のように考えている経営者の方が相当数いらっしゃいます。

  • さらに成長に舵を切る
  • これまでの自社内のさまざまな課題を克服しステップアップを図る
  • 他社と差別化できるサービスラインアップを増やす
  • 異業種から新しい成長産業であるリユース業界に参入する

特に今年に入り、withコロナの今後を見据え、リユース業界の経営者の方や異業種の経営者からご相談をいただくケースが相次いでありました。

皆さんの関心事は、コロナ不況にあえぐ業界で人材が余剰となる中、慢性的な人材不足だったリユース業界として人材不足を解決する格好のチャンスと思うがどうか?ということです。

私も今、リユース業界の大きな勝負所ではないか!と考えています。企業や産業というのは、自助努力だけでブレイクするというのは極めてまれで、今の大企業が大企業となったのは、その企業の成長過程でここぞという勝負所で勝負して、短期間に一皮も二皮もむけたからだと考えています。いわゆる「社運を賭ける」というタイミングです。

リユース産業の今の勝負所は人材の確保です。社運を賭けるというと少し大げさになってしまいますが、従来の発想にとらわれず、自社内の人材リソースをしっかり精査したうえで、経営者が実現したい世界観と現実のギャップを埋めるまさに千載一遇のチャンスと捉えるべきでしょう。

実際DX系を標榜する企業を中心に、IT人材のみならず営業やマネジメントなど一般的な職種も含め、今を採用の好機と捉え、極めて旺盛に採用数を設定しています。リユース業界の一部企業も同様の動きを取りつつあります。

三流の経営者は金を残し、二流の経営者は事業を残し、一流の経営者は人を残す。ということばもあるように、もっとも重視すべきは人材です。とくに環境変化が激しい現在、金や事業は瞬時に無力になるリスクを孕んでいますが、優秀な人材が何人かいれば、環境変化に対応して危機を乗り切りチャンスをものにできるのです。

私が以前銀行で働いていた時は、ヒト・モノ・カネが経営資源と言われてどれも同様に大切と教えられました。ただ、情報化・DX化が格段に進み続ける今は、この中のヒトのウエイトが圧倒的に高くなっている、つまり優秀なヒトの確保こそが勝負を左右する、と言い切って良いと思います。

これまでこのヒトの領域で苦労をしてきたのがリユース業界でした。古物商は業界として必ずしもイメージが良くないうえ、業界の給与水準も高いとは言えませんでした。経営システムも旧態依然としている企業が多く、意欲も能力もある人材から見た時、魅力があるとは言えない業界だったと思います。

ところがここ10年ほどで、上場企業も増え、経営者の世代交代もあり、また異業種からの新規参入もあり、業界が大きく質的変化に向かうマグマのようなエネルギーが蓄えられてきているように感じます。ここで優秀な人材がどんどん流入にしてくれば、もっともっと成長スピードがあがり、魅力的な業界に大きく変われるポテンシャルがあると思います。

私が、経営者の皆さんにアドバイスを差し上げているのは、幹部人材や若手のリーダー人材を採用するときには、「業界の給与相場、自社の給与テーブル」から一旦離れましょう、ということです。

自社の成長や変化を実現するためには、業界の標準的な考え方、行動パターンを取る人材では無理です。経営者の皆さんが絶対やろうと思っていることが、まず実現しません。あるいは経営者の皆さんが相当な努力を強いられます。

業界の給与相場で入社する人材は、これまでの業界の常識に従う人材と捉えるべきです。

コロナ禍で優秀な人材が転職市場に出てきています。目の前にこれまで採用することが難しかった喉から手が出るほど欲しかった人材が居るのです。その特性は以下のような人材です。

  1. 経営者に気づきを与えてくれる人材
  2. これまで経営者自らが解決していたことを代わりにやってくれて、本来経営者がやるべきことができる状況を作ってくれる人材
  3. 企業内の空気や従業員に変化を与えてくれる人材
  4. 効率的、生産性の高い組織作りをしてくれる人材
  5. ノウハウに長けたその道のプロ人材

業界の相場、自社の給与テーブルを踏まえた瞬間、上記の人材は手に入りません。企業の成長スピードや課題解決スピードは上がらない、あるいはライバル会社が上記人材を採用した場合、死活問題になりかねない、ということが起きるのです。

私の経験上、企業のライフタイムにおいて勝負所はそう何度も訪れません。千載一遇のチャンスの今、思い切って優秀な人材をしっかり確保する戦略を取ることをお勧めします。数名の優秀な社員に対して、少し多く支払うことで得られるものは、とんでもない価値を皆さんの会社にもたらす可能性があります。

自社の課題解決に向けた経営戦略、人材戦略のご相談にのらせていただいています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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