リユース企業成長の鍵~女性の活躍を本気で考える~

皆さんの会社では、どれくらいの女性が活躍されていますか?

日本の労働人口が今後急激に減るなか、日本経済を維持・発展させるには、人材不足の問題を解決していかなければいけないことが明白です。

リユース・リサイクル・買取業界も、業界の急成長により、業界内の人材不足が引き続き大きな課題です。

人材不足の解決策としては、以下の3点しかありません。

①実質的な労働人口を増やす(女性、シニア、外国人など)
②一人一人の能力を上げる、引き出す、モチベーションを高める
③DX化を進めることにより、従来人が行っていた仕事をデジタル技術で代替する

今回は、この中の①実質的な労働人口を増やすについて、今すぐできる女性活躍を突破口に人材不足解消の道筋を考えたいと思います。

■日本企業の女性活躍の現状について

まずは簡単に現状の把握をしてみましょう。

女性活躍を図る基準として以下の3点があります。
■従業員の中の正社員の女性比率
■管理職の中の女性比率
■役員の中の女性比率

日本全体の数字は以下の通りです。

15歳から65歳までの労働力人口は5800万人、このうち男性は54%、女性が46%です。男性の方が若干多いですが、ざっくり男女半々に近いと言ってよいと思います。

ところが、これを正社員で区切ってみてみると全く異なる事実が浮かび上がります。

正社員では、なんと女性は全体の中でわずか約25%に過ぎません。労働者全体では約半分を占めていた女性が、正社員では4人に1人です。また、課長以上の管理職に占める女性比率は12.7%です。管理職の女性は管理職全体のわずか8人に1人です。

従業員5,000人以上の巨大企業の場合、女性管理職比率は8.2%です。ちなみに、従業員10人~30人の企業の場合は21.3%で、中小企業は相対的に女性が活躍しており、女性比率は巨大企業の3倍近いことがわかります。

業界別では、女性管理職比率が医療福祉業界で53%と高く、生活サービス業界も24.6%と比較的高いです。一方、製造業ではわずか8%。製造業はそもそも女性の就業者が少ないということがあるものの、それにしても低い水準です。

海外と比べると、日本の女性の活躍がいかに遅れているかがわかります。先述した通り、女性管理職比率が日本は12.7%でした。

他先進国は、
・米国 41%
・シンガポール、フランス 38%
・ドイツ 29%
と軒並み日本と比べると圧倒的に高い水準です。

女性役員比率も同様です。東証プライム上場企業の女性役員比率はわずか11.4%。女性役員が不在の企業も2割もあります。
他先進国は、
・フランス 45%
・英国 40%
・ドイツ 37%
・米国 31%
と女性役員登用も欧米諸国と比べてきわめて遅れています。

政府はこうした現状を踏まえて、2030年にプライム上場企業の女性役員比率を30%に引き上げる目標を立てています。

■リユース・買取業界は女性活躍を実現しやすい!?

リユース・買取業界は、製造業や一次産業と比べれば、女性が働きやすい職種が多いです。

ホスピタリティが要求される接客、
正確な事務能力が期待される物流や商品管理、
地道な努力とスキルのブラッシュアップが必要な真贋判定、
人事や経理、総務、法務といった管理業務など、
女性中心で構成した方がパフォーマンスが上がる職場も多いのではないかと思います。

しかし、現実は以下のようなことが起きています。

  • 男性を熾烈な競争で奪い合い、入社選考のハードルを限界ぎりぎりまで下げてしまい、思ったようなパフォーマンスの発揮が期待できない
  • 能力が相対的に低い男性の管理職に優秀な女性部下という組織構造となり、女性のモチベーションダウン、離職に繋がっている
  • 経営施策や人事施策を男性が主体で決定することになり、いつまで経っても優秀な女性の活躍する環境が構築できない

自社で「多くの優秀な女性が生き生きと皆さんの会社で働いている」こういったイメージをぜひ持ってみてください。
そしてぜひ積極的に女性の採用と育成、登用を意識して始めてみることをお勧めします。

「男性の方が長く働いてくれる」

「男性の方が空気を読み融通が利く」

「男性部下の方が指示しやすい・いろんなことを率直に言いやすい」

そうした「感覚」を捨てて優秀な女性を採用し、女性が活躍できる環境を用意し、女性に意思決定に参加してもらう、こういったことを同時並行で一気に進めることができたら、人材不足の悩みがかなり改善される会社もあるのではと思います。

■女性にとって魅力ある労働環境を提供できるかどうかが分岐点

「業績を上げ続けること」=「優秀な女性に魅力的と思ってもらえる企業風土を作る」という時代がきていると思います。

大和証券は、10年以上前から新卒の男女比率を1:1にする方針を貫いています。丸紅も最近同様の方針を発表しました。採用力が高い金融や商社の超大手でも、女性の戦力化に本格的に取り組んでいます。

ビジネスの世界において、経営体制や組織設計、人事制度などについては、日本は常に後進国です。これまでも、海外のトレンドが何年も遅れて日本で実現するというタイムラグがあります。そうだとすると、女性が男性に負けず劣らず活躍している海外のトレンドは遅かれ早かれ日本でも定着するはずです。

他社に先駆けてそれを目指すか、最後の最後にやらざるを得ない状態でやるかという経営力の差になると思います。

女性の特性として

・自己肯定感がない
・ロールモデルがないので女性自身が活躍するイメージを作りにくい
・育児休業等、人事制度上の勤務年数で不利
などが挙げられるのも事実です。女性活躍を実現するには解決しなければならないことも多いです。

ただ、「優秀な男性の絶対的な不足」という解決できない課題と比べると、やりようはいくらでもあると思います。

繰り返しになりますが、優秀な女性にとって魅力ある労働環境を提供できるかどうかが、今後の人材不足を解消する決め手になる、ひいては皆様の会社の成長の大きな分岐点になる、ということです。

弊社も女性が代表を務めており、女性が活躍しやすい人事制度の構築や、女性採用のノウハウを保有しています。
女性活躍をこれから積極化したいとお考えの方、女性活躍を進めるに当たってどう進めるとよいのかお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください。

以下の記事も参考になさってください。

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