新人教育の現場~オンラインからハイブリッド型へ進化する研修3つのポイント

いよいよ年度末、決算や来期の事業計画の策定、人事評価や異動、新人の迎え入れなど、経営者の皆さんも人事の皆さんも一年で一番忙しい季節を迎えていらっしゃることと思います。

今回は、コロナ禍になり3回目の春となった今年、新人教育の現場情報をお伝えします。

新卒を採用されている企業はもちろん、この時期に年間で一番中途採用数を増やしている企業も多く、4月は新人教育の山場です。私共がお取引している企業様を中心に、リユース業界はもとより、幅広い業界の現場でのお取り組みをまとめてリサーチさせていただき、今期の新人教育の傾向をまとめました。

皆様のご参考にしていただければと思います。

➀オンライン研修が標準化

コロナ前は新人研修はすべてリアルでの研修でした。ところが2年前の初めての緊急事態宣言を契機にオンライン研修に一斉に切り替わりました。昨年、今年も主体はオンライン研修です。

特に、社会人の基礎研修、マナー研修、業務の基礎研修、自社の事業内容説明などはほぼオンラインでの実施となっています。

また、ハラスメント系の研修、コンプライアンス研修などの必ず実施しなければならないテーマ別研修も、ほぼオンラインでの実施となっており、eラーニングとの併用も当たり前になっています。

➁オンラインでの工夫からハイブリッド型に進化

座学中心の研修は上記の通りオンラインが主体となってはいるものの、企業理念の浸透や社風理解についての研修は、なかなか一方通行のオンラインだけでは難しいと課題感を抱えている企業が多いです。ただ、zoomなどのオンラインツールも進化しており、オンラインでのワークショップを活用して、一方通行では難しい企業理念の浸透や社風理解についての研修を組み立てている企業が増えています。

オンラインでのワークショップについては、2年前や昨年はまだファシリテーターや講師の方が感覚をつかみ切れておらず、リアルでのワークショップと比べるとどうしてもパフォーマンスが落ちるという課題感が残っていました。ところが今年については、以下のような工夫や準備をする企業が増えており、オンラインにおける工夫と一部リアルも組み合わせたハイブリッド型がむしろ主流となる傾向にあります。

ではオンライン研修やハイブリッド型の研修ではどのような工夫がされているのか具体的に3つのポイントをご紹介します。

  • 入念な準備・事前作業

オンラインの準備を入念にする、例えばリハーサルを入念に行ったり、コンテンツの区切りを短くテンポを上げることにより、ファシリテートやコンテンツにリアル感を持たせるよう工夫する。また、新人との関係性を事前にある程度高めておくことで、研修効果が高まるため、事前にファシリテーターや講師と受講者がオンラインで懇親会(飲み会も含めて)や顔合わせをするケースなども増えているようです。

  • 回数・頻度を上げる

コロナ以前であれば新人研修は入社直後に一度行うというのが一般的でしたが、オンラインが主体となった今、企業と新人との関係の質、あるいは新人同士の関係の質がコロナ以前と比べると落ちているとの課題感を踏まえ、開催頻度や研修回数にも大幅な改善が見られます。

入社直後の研修期間を短くして、その分を半年後や1年後、2年後に定期的に実施することが一般化しつつあります。半年後以降の研修も、オンラインだけではなく集合研修(宿泊アリのケースも多い)も併用するなど、工夫や試行錯誤がなされています。

  • 一部リアルへのこだわり

特にコロナ前に長期間(1か月以上)の新人研修を行っていた企業は、短期間(1~2週間程度)だけでもコロナ対策(抗原検査の定期利用、少人数のグループに分けるなど物理的な感染症対策など)を万全に取ったうえで、リアル研修をオンライン研修と併用して実施している企業が相当数見られます。これは「同期の絆」が企業文化の強みになっているとの認識が企業サイドにあるため、新人間の関係性を高める工夫が欠かせないとの課題感が背景にあります。

リアルへのこだわりという点では、特に中堅・中小企業においてはオンライン化の例外もあります。従業員が数百人規模以内の企業の場合、社員全員の顔と名前をある程度一致させ、スタッフ間の関係性の強さがその企業の強みと認識している企業も相当数に上ります。そのような企業では、オンライン研修を一切導入せず、感染症対策を万全にしたうえでリアル研修にこだわり続けています。これはこれで一つの大切な見識と言えると思います。

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いかがでしょうか。新人が自社内でどういう成長をし、活躍するかは、企業のパフォーマンスを中長期的に大きく左右します。自社の研修のスタンダードと比較して取り組みを改善できるところがあれば、ぜひ実行してみてください。

弊社は人材開発とキャリアコンサルティングのプロフェッショナルとして、実際の事例を踏まえて、個社の実情にマッチした様々なアドバイスをさせていただいています。

もし、自社内だけで研修改善の取り組みが難しいということがあればお気軽にご相談ください。アドバイザリーのご依頼から情報交換まで、お問い合わせをお待ちしています。

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