「アセットマネジメント」のススメ

躍進と競争激化が目覚ましいリユース・リサイクルビジネスで、今後さらなる成長を遂げ勝ち残るための大きなポイント、「アセットマネジメントモデル」についてお話しします。

これまでのリユース・リサイクル業界は「買取・引取」と「リユース品販売」というビジネスモデルで成長をとげてきました。

一昔前は質店、古書店、古着店、オークション、廃品回収業といった限られた方々が担っていた小さな市場が、今や上場企業が軒を連ね3兆円ともいわれる一大産業になっています。本当に隔世の感があります。

この成長の背景には、以下のような要素があると言われています。

◆BtoCではチェーンオペレーションの進化や、査定の透明化、

◆CtoCではIT技術の発展、

◆BtoC、CtoC共通ではリユース・リサイクルをフォローする社会意識、異業種からの新規参入、取扱商材の大幅な拡大、

ここで押さえておかなければいけないことは、この大成長過程においても、根幹のビジネスモデルである「買取・リユース品販売」と「リユース品仲介」はまったく変わっていないということです。

つまり、ビジネスモデルは不変で、「マイナーからメジャー」へ変わったということです。では、今後はどうでしょうか。成長シナリオを描くことはできるのでしょうか。取り扱い商材はほぼ出尽くし感があります。

自動車、バイク、自転車、ブランド品、ファッションアイテム、貴金属・宝飾品、呉服、カメラ、楽器、書籍、ゲーム、PC/スマホ、家電、家具、金券、スポーツ用品、アウトドア用品、美術・工芸品、子供用品、酒類、コスメ、業務用什器などなど、生鮮品、消耗品以外ほぼすべての家庭内のモノがリサイクル・リユース市場で取り扱われています。

今後、取り扱い商材の種類が大幅に増えることはないと考えておいた方が良いと思います。では、何が成長要因になるのか。

それは、リサイクル・リユース経験のない方がリサイクル・リユースを体験しはじめる、ということです。これまでリユース・リサイクルをあまり活用してこなかった中高年層のリユース・リサイクル利用が今後増加してくるとの見方も多いところです。この成長シナリオは業界のコンセンサスだと思います。

そして、ここからが私の見立てです。私は、過去35年にわたって、金融・不動産業界でアセットマネジメントビジネスを経験し、そのうえでジュエリーのセカンダリー業界に転じました。そしてジュエリーを「資産」として捉えることで、10万人のお客様の28万個におよぶジュエリー資産をデータベース化して管理してきました。

その経験から、「アセットマネジメント」はリユース・リサイクル業界においても、決定的と言える成長ドライブになると確信しています。

「アセットマネジメント」は「買取・リユース品販売」「リユース品仲介」に次ぐ第三のビジネスモデルと言え、利益面で莫大な成長余地をもたらす可能性が高いです。

「アセットマネジメント」は日本語では「資産管理」です。言葉自体は聞かれたことはあると思います。現在のリサイクルショップには“高価買取”や“不要なものは引き取ります”といったコピーは必ず訴求されていますが、“資産管理します!”という訴求はおそらくほぼされていないと思います。

「資産管理」という言葉は、銀行や証券会社、不動産会社の店頭や広告に使われています。株式や債券、為替、あるいは賃貸マンション経営、不動産の売買等々、お持ちの資産を管理しませんか?こういった文脈で一般的には使われています。

では、リユース・リサイクル市場における「資産」とは。セカンダリー市場における価格がプライマリー市場の価格よりも高い、あるいはそれほど価格が低下しない特殊な商材。具体的には、宝飾品、美術・工芸品、時計の中で、クオリティーが一定以上のモノ、有名作家の作品などのことを指します。

あるいはブランド品、カメラや趣味の道具類、酒類、書籍、家具、ファッションアイテム等の中でアンティークやヴィンテージと呼ばれるような希少性が認められるものアート性の高いモノなどです。言い換えると価格がゼロにならない、むしろ時間がたつと価値が高まる可能性もあるモノや、サザビーズやクリスティーズといったオークションで取り扱われるようなモノが典型例です。

これらは結果的に「買取」の対象となるケースももちろんありますが、不動産や金融資産と同じく買取ありきではなく、まずは「管理=アセットマネジメント」というステップを必要とするモノなのです。

実際、家庭内でのリユース・リサイクルの対象となるモノのうち、「アセットマネジメント」の対象となるモノの点数はわずか1%を切るといわれています。しかし、価値で見ると90%以上を占めるともいわれています。

そしてそういう価値の高い『資産』はこれだけリサイクル・リユース市場が成長してきているにもかかわらず、まだそのほとんどが家庭内に滞留している、あるいは見えないところで「相続・譲渡」されています。こういった「資産」をどれだけリユース・リサイクル業界が取り扱うことができるかが、これからの企業の成長の差になり、業界全体の成長を左右すると思います。

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